最初は、立体駐車場の最上階にいたんだけどさ、そこが図書館みたいになってたわけ。いや待って、本じゃなくて、本棚の代わりに車がずらーっと並んでるんだよ。ただの駐車場じゃなくて、各階ごとにテーマがあるみたいな感じでさ。 途中で降りていくことになったんだけど、階段を下りるたびに季節が変わるんだ。春の階、夏の階みたいに。で、俺はずっと「自分の車、どこだっけ?」って探し続けてるんだよ。焦ってくるわけ。 最後には地下1階まで来ちゃって、そこはすごい暗くてさ。スマホのライトで照らしたら、自分の車じゃなくて、知らないおじいさんが座ってるんだ。別に怖いわけじゃなくて、その人が「ずっとここで待ってた」って言ってくるんですよ。何を待ってたのか聞く前に目が覚めた。 最近、親父が新しい車を買ったから、駐車場のことばっかり考えてたのかもな。なんか切ない気分が残ってる。