祖母が台所にいた。生前のままの姿で、白い割烹着を着ていた。声をかけようとしたが音が出なかった。祖母は私を見ていたが、何も言わず、手に持った古い鍋を磨き続けていた。磨く音だけが聞こえた。その鍋の中には小さな石が積み重ねられていた。祖母が鍋を置くと、石が一つずつ消えていった。最後の石が消えた時、祖母も一緒に薄れていった。台所だけが残った。