古い図書館の奥へ歩き続けていました。壁に沿って立てられた本たちが、まるで時間そのものを静かに呼吸しているようです。指で背表紙をなぞると、紙の温もりが掌に伝わり、懐かしい誰かの声がかすれた音色で聞こえてきました。その声を追いかけるように階段を上ると、天井から柔らかな光が降り注ぎ、室内は青白く染まっていきました。振り返ると、本棚の間から家族の面影が浮かんでは消え、浮かんでは消えていました。その瞬間、すべての本が一斉にページをめくり始め、風のような音が部屋全体を包み込みました。目が覚めた後も、その静寂の中に隠されていた温かさが、心の奥底で静かに残っていました。