駅のホームにいた。古い公衆電話が鳴っていた。受話器を取ろうとしたが腕が動かない。電話は鳴り続ける。周囲の人間が次々と振り返る。受話器に手が届かない。鳴音が大きくなる。ようやく手が伸びて受話器を握ったが、口が開かない。相手の呼吸音だけが聞こえる。駅全体が静寂に包まれた。受話器から水が流れ出す。足元が濡れ始める。電話は鳴り止まない。