商店街の入り口にいた。昼間なのに街灯が点いていた。八百屋の前を通ると野菜が全て銀色に光っていた。肉屋の店主が手を振ったが顔がなかった。時計屋の前で立ち止まると、時間が逆回転する音がした。商店街の奥へ進むと店が次々と消えていった。最後に残ったのは空の看板だけ。その看板から水が流れ出していた。足元が濡れていた。振り返ると商店街全体が薄い膜で覆われていた。膜の向こう側に誰かがいた。近づこうとすると地面が傾いた。