駅の改札を出たら、荷物がなくなっていた。パスポート、クレジットカード、スマートフォン、すべて消えていた。必死に駅員に訴えたが、彼らは首を横に振るばかり。駅構内を走り回って、迷路のように複雑な通路を進んだ。どこかに落とした痕跡を探そうとしたが、床は真っ白で何も見えない。乗客たちは私を無視して通り過ぎていく。やがて駅全体が白く染まり始めて、壁も床も区別がつかなくなった。それでも私は歩き続けていた。何を探しているのかもわからないまま、ただ足を動かしていた。