秋の夕暮れ、田舎の駅に降りたんだけどさ、周りに誰もいないわけ。駅舎は古くて、壁は薄紫色に染まってた。改札を通ったら、ホームに誰かが立ってるんだよ。近づいたら、それが小学生の頃の友達だったんだ。「待ってた」って言ってくれて、嬉しくて抱き着こうとしたらさ、その子の体が透けてるのに気づいた。焦ったんだけど、その子は笑ってて「ずっと向こう側にいたんだ」って。途中で、周りの景色が段々と色褪せていくんだよ。秋の色が全部消えていくみたいに。最後には夕焼けが真っ黒になって、その子の手を握ろうとしたけど、手がすり抜けちゃった。「またね」って聞こえた気がして、目が覚めたんだけど、その時間の感覚だけ残ってた。切なかったわけじゃなくて、なんか懐かしくて、でもどこか悲しくて。起きた後も、その駅の夕暮れの色が忘れられなかった。