湖のほとりに立っていた。水面は鏡のように静かで、反射がなかった。岸辺に石が積み重なっており、一つ動かすと下から白い貝殻が出てきた。貝殻を集め始めると、湖の向こう岸から人影が見えた。近づいてくるわけではなく、ただ立っていた。貝殻を握ると温かくなり、やがて冷たくなった。湖の水が徐々に引いていき、湖底の泥が露出した。泥の中に無数の足跡があった。自分の足跡ではない形をしていた。振り返ると、来た道がなくなっていた。