薄紫色の霧が立ち込める廊下を、私は静かに歩いていました。壁から聞こえるのは、どこか遠い鐘の音で、心臓の鼓動のようにゆっくり間隔を置いて響いています。足元の石畳は冷たく、触れるたびに微かに温もりを失うような感覚がしました。開いた窓からは、綿毛のような雲が室内へふわふわと流れ込み、私の肩に優しく触れます。やがて廊下の先に、柔らかい光に満ちた部屋が見えました。そこへ近づくにつれ、その光は音もなく色を変え、淡いバラ色から深い紫へと移ろっていきました。部屋の奥には誰かが立っているのが見えましたが、顔は靄に包まれていて、ただ静かに私を見守っているようでした。私はその姿に安堵し、ゆっくりと歩み寄ろうとしたとき、目が覚めました。