駅のホームにいた。背後から足音がして振り返ると、見知らぬ子どもが立っていた。年は五、六歳ほど。何も言わず、ただ私の後ろについてくる。列車が到着した。乗り込むと、子どもも乗ってくる。車両の中は薄暗く、乗客はいない。子どもは相変わらず無言で、私の後ろを歩く。駅を出ると、風景が変わった。広い原野になっていた。子どもはついてくる。振り返ると、その子の顔が徐々に透明になっていく。手を伸ばすと、指が通り抜けた。気づくと、子どもはもういなかった。