夏祭りに行ったんだけどさ、屋台の焼きとうもろこしとか綿菓子とかが並んでる通りの奥に、古い商店街がまるごと解体されてんのよ。最初は普通に祭りを楽しんでたんだけど、途中でふと気づいたら、その解体現場の中から懐かしい夏の匂いが漂ってくるんだ。不思議だなって思って近づいてみたら、壊されかけた建物の壁に、昔の屋台の看板とか装飾がいっぱい貼られてて。懐かしい屋台の主人がそこにいて、『もうすぐ消えちゃうから、最後に見に来てくれたんだ』って笑ってるんだけど、その顔がだんだんぼやけていくわけ。焦って『待ってよ』って言ったのに、屋台も建物も全部白くなって消えちゃった。目が覚めてから、この季節の度に古い商店街が次々と消えてくのを思い出してたんだ。多分、先週解体中の昭和の建物を見かけたから、そういうのが頭に残ってたのかもな。