いつもの通勤路を歩いていた。駅前のビルに入り、トイレを探した。個室に入ると、壁に小さな穴があった。覗くと、通勤路が逆さまに見えた。ビルの外の景色が天井から床へ流れていた。穴を塞ごうとしたが、手が通り抜けた。トイレの床が柔らかくなり、沈み始めた。通勤路の音が聞こえた。車のエンジン音、人の足音、信号機の音。すべてが反転していた。個室から出ると、通勤路そのものがトイレになっていた。便器が並んでいた。歩き続けた。