墓地を歩いていた。夕方で薄暗く、石碑が並ぶ中をゆっくり進んでいく。特に誰を探しているわけではないのに、足は自然と奥へ奥へと向かっていた。やがて一角に、まだ新しい墓が目に入った。近づいて名前を確認しようとしたとき、突然その石碑が温かくなった。触れてみると、まるで生きた肌のような温度だった。驚いて手を引っ込めると、石碑の表面がゆっくりとぼやけ始め、やがて透明になっていった。その向こう側には、懐かしい人の笑顔が見えた。言葉をかけようとしたが、声が出なかった。 最近、親戚の訃報を聞いたばかりだったから、それが形を変えて出てきたのかもしれない。会いたかった気持ちが、こんな形で表れたんだと思う。