最初は、駅の改札を通ったんだけどさ、後ろからすごい勢いで誰かが追ってくるんだよ。顔は見えないんだけど、足音だけが聞こえてきて焦ったわけ。『逃げなきゃ』って思って、駅の階段を降りたらさ、下はいきなり真っ暗な地下道になってた。走ってるのに進まないような感じで、後ろの足音はどんどん近くなるんだよ。途中で、壁が突然ビルディングのエントランスに変わってさ、ガラスの回転扉が次々と出現するんだけど、どれをくぐっても外に出られないんだ。すごく焦って、心臓がバクバクしてる。最後には、振り返ったら追ってきた奴は人間じゃなくて、黒い影みたいな形をしてて、口を開けてるんだよ。その時に『あ、これ逃げちゃダメなやつだ』って気づいたんだけど、もう遅くてさ。でも不思議と怖くなくなって、立ち止まったら影も止まったんだ。