浜辺を一人で歩いていた。波打ち際に打ち上げられた貝殻がたくさんあって、それを拾い集めていた。貝殻の一つ一つが異なる色や模様をしていて、光に透ける白いものもあれば、深い紫色のものもあった。拾い続けていると、ふと気づいて周囲を見回すと、浜辺全体が薄紫色に染まっていた。夕焼けではなく、空そのものが柔らかく光っている状態だった。波の音が聞こえるが、それは波というより、何かが呼吸をしているような音に感じられた。集めた貝殻を両手に握りしめると、それらが温かくなり、指の間からこぼれ落ちていった。落ちた貝殻は砂に吸い込まれるようにして消えていく。必死に掴もうとしても、すべてが指の間を通り抜けていく感覚だけが残った。