祖母が台所にいた。生前と同じ姿で、白い割烹着を着ていた。声をかけると振り返った。口は動いていなかったが、言葉が聞こえた。「塩辛いね」と言っていた。味噌汁の鍋が火にかかっていた。匂いはしなかった。祖母は鍋をかき混ぜ続けた。私は椅子に座ったまま動けなかった。窓の外は夜だった。時間が経つにつれ、祖母の姿が薄くなっていった。最後に手だけが見えた。その手が私の肩に触れた。温かかった。目が覚めた。