古い温泉旅館の廊下にいた。畳の匂いがした。奥の部屋から湯気が立ち上っていた。浴槽に近づくと、お湯が透明ではなく乳白色だった。壁には昭和の時代の風景画が掛かっていた。浴室の床が徐々に傾き始めた。浴槽の水位が上がり、廊下に流れ出した。逃げようとしたが足が重かった。旅館の玄関が見えたが、戸が開かなかった。背後から水音がした。振り返ると、浴槽そのものが移動していた。